
「アーティフィッシャル」というドキュメンタリー映画を見た。
サーモン、トラウトなどの野生の魚と川を守ることをテーマにした映画だ。
パタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードがプロデュースされている。
パタゴニアには良いイメージを持ってはいるが、買った事はない。
なのでパタゴニア好きという訳でもない。
そんな僕がパタゴニアHPの『とあるブログ』を読んだのはまったくの偶然だった。
たぶん何気なくトラウト関係の何かを検索している時に見つけたんだろう。
パタゴニア公式ブログの中にあった、
というブログ。
そのブログは導入部から上手で面白い文章だった。
ただ面白いだけではなく、人の心のある部分に刺さるような文章だった。
僕はそのブログの中で『アーティフィッシャル』(Artifishal)という映画がある事を知った。
パタゴニアの『アーティフィッシャル』HPより引用
ブログから一部を抜粋すると、
『Artifishal』は(中略)本来釣り人が観てはならない「R-Fisher指定」の一級ホラー映画だ。
日本の魚がゾンビ化することを防ぐのは神様ではなく、自分たちに他ならないと気付かされてしまう。
続けて抜粋する。
『Artifishal』の内容を乱暴に一言で言ってしまうと「鮭(鱒)の放流を止めよう!」というメッセージの映画である。
放流魚は天然魚にネガティブなインパクトを与える。
放流魚と天然魚が交雑すると、魚が小さく、少なく、弱くなるという事実が語られ、さらに、地域経済と深く絡み合った釣りビジネスが問題を複雑化していると告発する。
最後の抜粋。
驚くべきは、その告発者であるはずのパタゴニア社自体が当のフィッシング・ビジネスの一翼を担っていることであり、つまりこの映画は、経営者自身による大々的な内部告発ドキュメンタリーとして観ることさえできるのだ。
釣り人には、特にトラウトアングラーには、是非ご覧頂きたい映画なのだ。
この映画は主にアメリカなどの海外の話だ。
- ダムの話や、
- 放流についてなど。
日本とは違う部分もあったし、置き換える事が出来る事もあった。
アメリカの放流について僕の心に残っている部分を少しだけご紹介する。
「2匹いる場所にもう2匹入れれば、4匹になり2匹よりいいと思ったのです」
(その結果)「現実にはそのようになりません。(中略)
私たちが損害を与えていたのです」
逆に放流をしなかった場所では翌年に魚の数が増えた話もされている。
そのデータから下記のように語られていた。
「自ら持続できるトラウトの個体数が存在する水域には、放流すべきではない事が示されていました」
繰り返すがこの話は主にアメリカの話で日本とは環境も状況も違う。
当然、日本の放流をやめるべきだとか言いたい訳でもありません。
そこは誤解の無いようにお願いしたいです。
ありがたい事にこの映画は、
- パタゴニアのアーティフィッシャルのHPや、
- YouTubeで公開されているので、
- パソコンでもスマホでも、
- 無料で見る事が出来る。
このブログの最後にYouTubeから埋め込んで見れるようにもしています。
(1時間少しあるのでスマホの方はWi-Fi環境がある場所で見るのがおすすめです)
この映画を見て知らなかった事を知ったり、色んな事を考えさせられた。
それが今回のブログタイトルにある「頭を殴られた」という例えなのだ。
ここではっきりと言っておきたい事がある。
今回のブログでこのような映画を偉そうに紹介しているが、僕自身は魚や環境に対して何も出来ていない。
僕は渓流ルアーを始めて7年目の、ただの渓流釣り好きだ。
始めて2~3年目まではキャッチ&イートもしていた。
当時のブログで渓魚の持ち帰りについての注意コメントを頂いた事もある。
参考ブログ:渓流ルアー釣りの上手い人の条件は決まっている(2015年5月後半)
渓流ルアーを始めて2~3年目までは、
- 釣った魚を持ち帰って、
- 家族に「どや!?」と自慢したい気持ちがあったり、
- 釣った魚を美味しく頂くのも楽しみの一つだった。
近年はほぼ100%リリース派だけど、
『釣った魚を美味しく頂くのは釣りの大きな楽しみの一つだ』
とは今でも思っている。
それに僕がリリース派になったのは何も高尚な思いがあるからではない。
- 渓魚はすぐに減ってしまうし、ある川から絶滅させる事は難しくないと知った。
- 僕は自分が釣りをしている川は自分の川だと思っている。
- 自分の川の魚を自分で持ち帰って減らすのは何というか、
- タコが腹減って自分の足を食べているような感じだからだ。
それに渓流ルアーを続けていく内に、
何というか渓魚に気持ちも入り始めた。
渓魚が置かれている環境や状況についても少しずつ知識が増えていった。
なので今は出来るだけ渓魚を傷つけないようにリリースするようにしている。
悲しい出来事も経験して、フックはシングルバーブレスにした。
渓流ルアーを始めて2~3年目あたりのブログでは、
- 魚の目が死んでいる写真や、
- 放流日だからと10匹くらい持ち帰った事も書いている。
時々、そんな当時のブログを削除しようかと思う事もある。
だけど削除していないのは、
- 僕のブログは、
- 渓流ルアーを始めた一人が、
- 色んな失敗や間違いをしながら、
- 情報や知識を増やして、
- どのような思いや考えで、
- 渓流ルアーを楽しんでいるか?
そんなところも少しでも参考になればと、手前味噌ながら思っているのだ。
それに渓流ルアーを始めてすぐの初心者が、
- ほとんどの釣り場が放流に頼っている実情や、
- もうずっと前から危機的状況の、
- 渓魚たちの置かれている状況。
そんな事を考えるはずがない。
釣りを始めてすぐの初心者が考える事は、
- 「とにかく一匹釣りたい」
- 「とにかく魚の顔が見たい」
- 「釣りが上手になりたい」
という事だけだ。
僕だってそうだったし、それが当たり前だ。
というか、それで良いと思う。
それが楽しいのだ。
ここからは人によってタイミングや時期があると思うのだが、
- 渓流釣りを始めてしばらく経って、
- 少しは釣れるようになって、
- 人に聞いたり自分で調べて、
- 色んな知識や状況も頭に入る。
そこで渓魚の置かれている状況も知る。
そして自分の好きな渓流釣りをこれからも楽しみたいし、そのためにも渓魚や環境を守りたいとも思う。
だからリリースや放流や環境について考える。
そんな流れなのではないだろうか?
人が色んな事を実感として感じるまでには、時間がかかる事もあるのだ。
いつもながら話が脱線してしまった。。。
『アーティフィッシャル』を見て、
僕がすぐに何か行動を起こせているかというと、答えはNOだ。
だけど映画を見た事によって、海外のサーモンの現状や歴史を少しは知る事が出来た。
そして知る事によって考える事が出来た。
(下手の考え休むに。。。かもしれないが)
考えたので、今後の行動が少しは変わる可能性がある。
そんなきっかけになる映画だった。
ここからは本当に勝手な他力本願的な話なのだが、
色んな釣り人や、釣り人ではない方々にも、この映画を見る事が何かのきっかけになるかもしれない。
多くの人が見てくれて、多くのきっかけがあれば、実際に行動に移す人も増えるかもしれない。
その結果として、渓魚の置かれている状況がより良くなれば。。。
僕は何も出来ていないただの一人の釣り好きなのだが、そんな思いもあって偉そうに映画のご紹介だけさせて頂きました。
いつもそうなのだが、僕が書きたかった事は結局一行で終わる。
「良い映画があるから、見ませんか?」
それだけなのだ。
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速攻見てきました。ダム、堰堤だらけの日本でも同じでしょうね。
右脳派釣師さん
速攻で映画を見て下さって嬉しいです!
ブログを書いた甲斐がありました(#^^#)
ダムの話とかは日本にも置き換える事が出来る部分があると思いました。
鮭、鱒、サーモン、トラウト、川から海に、海から川に。
色んな事は繋がっていると思いました。
自分に何が出来るだろうか?
と思いました。
そう思わせてくれただけで、この映画には価値があると思います。
私の働く会社のすぐ隣に旭川が流れています。会社のおじいさんが言うには昔は大きな鱒が沢山泳いでてよく釣れたらしいです。仕事帰りに入るんですが、まず釣れません。これがダムのせいなのか放流のせいなのかは解りません。もちろん腕が悪いのはありますが… 何が出来るというわけではありませんが、考えていればいずれ何か出来るかもしれません。
ツージーさん
昔は沢山釣れた、大きな魚がいたという話は色んな釣り場で年配の方からよく聞きますよね。
僕もまだ渓流ルアー7年目ですが、西日本豪雨を機に変わってしまった(釣れなくなってしまった)釣り場を知っています。
色んな理由があって釣り場は変わっていくと思います。
おっしゃる通り、考えていればいずれ何か出来るかもしれません。
論語に『知らざるを知らずと為す是知るなり』(知らない事は、知らないと自覚すること、これが本当の知るということである)という言葉があります。
それに近いかはわかりませんが『何も出来ていない事を知っている、何も出来てないと考えている』というのにも意味はあると思います。
個人的には、日本はまだスポーツフィッシングというより漁の要素が強いかなーと思っています。
もう少し、周りを見渡しながら楽しめる釣りができるといいなあと、常に感じています。
だからと言って、まだ私は何もできていませんが。
かわしさん
漁の要素、強いですよね。
それがいけない訳ではないのですが、、、
僕の田舎では「釣った魚を川に戻す(リリースする)」と言うと、100%に近い人が「なんで?もったいない!何のために釣りに行くの?」と驚きます。
お腹が減っているから釣りに行っている訳ではないのですが、その説明は理解頂けない事が多いです。
釣った魚を美味しく頂くのは素敵な事なのですが、バランスが難しいと感じています。
放流は魚増えていいなぁくらいにしか思ってなかったのですが、デメリットもあるとは勉強不足でした。渓流釣りを長く続けるためにも自分にも出来ることで渓魚を守っていきたいです!こちらは漁協がなくて放流もないのでよくわからないのですが、券を購入したら1日の釣る魚の数は制限がないんですか?解禁日に1人で何十匹も持ち帰ったら解禁してすぐ魚いなくなるのは目にみえてますよね?やはり最後は釣り人の意識の問題になるんですかね(>_<)
あざらしさん
北海道は鑑札とか無かったりするんですよね。それを知った時にすごく驚いた事を覚えています(^^)
僕の釣っていたり知っている範囲では1日の匹数制限はないです。
僕が聞いた中で1番凄かった数は渓流釣り好きの年配の方が「解禁日に200匹釣った事がある。ビクに全然入らなくて、、、」と胸を張って言われていた200匹です。
この方は特別かもしれませんが、数十匹はよく聞く話です。
僕の住んでいるあたりや近県も日券がすごく高くて、3回行くなら年券の方が安かったり、2回行くなら年券の方が安い川もあります。
「これは鑑札を買って解禁日や放流日だけ行く釣り人さんに向けた値段設定かな?」と考えていたこともありました。
釣った魚を自分や家族が食べる分だけ美味しく頂くのはとても豊かな事だと思うのですが、その数の程度や、おっしゃる通り意識の問題もあると思います。
解禁日や放流日のバケツ放流は数日で釣りきられる可能性が高いですが、あっていいとは思うんです。
(注:釣り人の目の前でのバケツ放流はしているところとしていないところがあります)
例えば年をとると足腰の関係で渓流深く入れなかったりすると思いますし、年に何度か入渓もしやすい場所で放流してもらって魚釣りを楽しんで持ち帰って家族で食べる。
それはそれで素敵な釣りの楽しみ方の一つだと思います。
だけどそれ以外にも渓魚が世代を繋げるような環境作りや放流の仕方が大事なのかな?とぼんやり思ったりします。
恐らく漁協の方々も一生懸命して頂いてますし、無知で何も出来ていない僕が言うのもなんですが。。。
長文で答えの出ない話を失礼致しました(>_<)
今回のしげるさんの話は難しくて疲れました。(ワラ
ただ、昔のブログを削除せずに残し、ブログUPの
数年後にコメントで注意されたことに対して誠実に
対応されているしげるさんは素晴らしいと思います。
私も年に数回は食べますよ。おいしいですから!
muraさん
難しくて疲れましたか(^^)
いつも馬鹿な事ばかり書いているので、たまにはお許し下さい(;^ω^)
それに、muraさんには難しくないと思いますよ(^^)
持ち帰りの注意コメントを頂いたブログを見て下さったんですね。
そのコメントのやり取りで褒められると思って無かったので、意外なところからお褒め頂けた感じです。ありがとうございます(#^^#)
ブログ書いてて良かったと思う中の一つは、昔の自分の考え方や釣りがわかる(振り返れる)事です。
渓流釣りや渓魚に対しての考え方や接し方は、たぶん数年前と今では違うと思います。
なので注意して下さった方の気持ちも、少しはわかるんです(^^)
ブログ本文にも書きましたが、
「釣った魚を持ち帰って美味しく頂くのは釣りの大きな楽しみの一つだ」
とは今でも思っています。
程度問題というか、だからこそ伝えるのもわかって貰うのも難しいです。
僕も去年、親父と一緒に釣りに行って親父が釣ったイワナを親父と一緒に食べました。
美味しかったです(^O^)
今直ぐとはいきませんが必ずこの映画観ます!!!!!。
ブログを読んでいて、しげるさんの熱い想いをめっちゃ感じ、お会いした時以上に強く抱き締めたい気持ちになりました(笑)。
今、世界はこのままでは地球が危ないと感じだし、ビニール袋などを減らそうと動き出して(有料化など)いて、環境問題に対して一人一人が何が出来るか?っと考えるいい時期だと思うので、釣り人も一人一人に何が出来るかを考えるきっかけになる素晴らしい内容の内容の記事だと感動しました!!!!!!!
花屋のいちろーさん
映画、興味持って下さってありがとうございます(^^)
お会いした日の帰り際、抱き合ったのを思い出しました(^O^)
あの時の無駄な脂肪の一切無い、いちろーさんの体の感じ、覚えています(^^)
(注:その気はないですよ(;^ω^))
ビニール袋、一部の店舗では少し前から有料化になっていて、もうすぐ義務になりますよね。
一人一人で出来る事って小さいかもしれませんが、色んな事を考えるのは良い事だと思います。
お褒め頂き恐縮です(#^^#)
ありがとうございます(^^)
昔のコメント欄で右から左からボコられててワラタ。
黒歴史も大事な「しげる史」でありますもんね。
まさのりさん
はい。思いっきりボコられてました(^^)
僕は落とし穴があったら全てはまってしまうタイプですし、失敗や間違いもよくします。
でもおっしゃる通り、それら全てが僕と渓流ルアー釣りとの歴史なんです(#^^#)
黒歴史も歴史は歴史で残しています(^^)
これはなかなか深いテーマですね…
我々が活動するサクラマスプロジェクトも元はといえばダムがあるが故の事。
しかし相模川流域に住む、私たちにとって、城山ダムがもしなければ、普通に当たり前に出る水道も日常ではなくなるかもしれないし、治水という意味でも、去年の台風でも恐らく何百倍もの死者や被害が出ている事だと思います。
行政や国が、じゃあサクラマスが復活する環境に戻してやるから、今後相模水系では一切釣りするな!
となると本末転倒ですし…
我々釣り人如きは、兎にも角にも魚を釣りたい!というのが一番の望みである事に間違いはない訳で、私個人的にも河川環境がどうとか、交雑する事のなんたるかなど、とやかくを語る資格はなく、せいぜいゴミ拾って帰るとかの行動しか出来ないですね…
3110tkjさん
現実的に大きな話でダムを無くすとかになると、書かれているような事もあるかもしれません。
おっしゃる通り、釣り人が望む事はとにもかくにも魚を釣りたいだと思います。
僕の好きな釣りキチ三平の最終巻での言葉、
「われらの願いはただ一つ!もっと魚を釣りたい!」
この言葉にも現れていると思います。
僕が今回この映画をご紹介したのは、自分が非常に興味を持ったから。
それに色んな事を考えるきっかけになる映画だと思ったからです。
少しでも渓魚や環境について考えて頂けるきっかけになればと思いました。
ゴミを拾って帰る。
それは十分に渓魚や環境に対して行動を起こしていると思います。
100人釣り人がいて、ゴミを拾って帰る釣り人は何人いるでしょうか。
素晴らしい事だと思います。