今回はフィッシングベストについての話である。
フィッシングベストというのは不思議な存在だ。
数ある他の渓流釣り道具と比べると、なければ釣りが出来ないようなものではない。
いわゆる、消防士の防火服や、野球でいうキャッチャーの防具などとは一線を画す。
消防士は防火服無しで火の海に飛び込む訳にはいかないし、キャッチャーは防具が無いと怪我人が続出するだろう。
『必要不可欠』なのだ。
それらと比べると、フィッシングベストは医師の白衣や、弁護士のバッチのような儀礼的とでもいっていいような代物だ。
特に渓流ルアーフィッシングにおいてはいくつかのルアーや、ラインカッターなど、小さな、本当に小さなバックが一つでもあればフィッシングベストが無くても十分に持ち運び出来るのだ。
現実的には代替可能なものなのだ。
にもかかわらず、フィッシングベストは渓流釣りの道具の中で確固たる地位を築いている。
魚がフィッシングベストを見てルアーを追ってくる訳ではないが、まるでフィッシングベストを着ないと魚が釣れないとでも言いたげな存在感である。
確かに多くのポケットは釣りをするのに便利だろうが、ウエストポーチなどに入れることにより釣りが非常に困難になる訳ではない。
けれどもほとんどの渓流釣り師は、餌釣り、フライ、ルアーを問わず、フィッシングベストを着る。
それは恐らく、時間だけを見たいなら、時計はロレックスである必要は無く、ただ字を書くだけならモンブランのペンである必要も無いことに似ている。
どちらも優れた製品であることは認める。しかしそれでも、『趣味性』があることをその製品の能力以上に認めざるをえない。
そもそも、渓流ルアー釣り自体が趣味なのであり、その趣味にのめり込んだ大人たちは何事においてもこだわるのである。
しかし僕のフィッシングベストは980円だ。
近くの大型スーパーマーケットで見つけた。
おそらくアウトドア用だが、あまりはっきりしない。
僕はフィッシングベストに関してこだわりがなかったのだ。
というか、いかに安くあげるかを求めていた。
僕は渓流ルアーフィッシングの入口に立ったばかりだったし、まずは釣りに行きたかった。
そのためのお金と時間を確保するのが精一杯で、釣り場に立った時の姿などは眼中になかったのである。
しかし、どんな趣味でも段階がある。
魚釣りで言えば、
- まずは1匹釣りたい。
- 数を釣りたい。
- 大物を釣りたい。
- 釣り方にこだわる。
というような流れがあるように、釣り道具にも、
- まずは釣りに行ける道具を安くても揃える
- 実際使ってみて違う道具が欲しくなる。
- つまり機能的な道具を買う
- そして機能よりも自分の趣味性で揃えるようになる。
こんな感じではないだろうか。
4には、昔のロッドやルアー、アブなどのリールが当てはまるだろうか。
最先端の道具で釣るのもいいが、ヴィンテージ的な、趣味性の高いリールやルアーで1匹を釣ることが楽しくなる。
だって僕らはトーナメンターではなく、渓流ルアーと言う趣味を楽しんでいるサラリーマンなのだ。
どうせなら、たとえ自己満足だとしても、自分が一番楽しめる方法、道具で釣るべきだと思う。
ただ、単純に、今年が渓流ルアー3年目の僕は、その高い趣味性のレベルにまで達していないのだ。
僕は980円のフィッシングベストをそこそこ気に入っている。
このベストには、ポケットに申し訳程度のマジックテープがついている。
しかし、本当に申し訳程度なのであまりちゃんとくっつかない。
なので僕は、ポケットに入れたルアーケースが川に落ちないようにD環とルアーケースを繋いでいる。
こうすることにより、ポケットからケースが落ちても、川に流されることを防いでいる。
まあ、専門の、きちんとした値段のきちんとした道具ではないため、不便もある。
ただ、自分が安いのを買ったのでしょうがないという理解もある
でもやっぱり、本当は、 こんなきちんとしたものも欲しい。
なんか、リトルプレゼンツが好きなのだ。
あと、シムスのフィッシングベストとかいいね。
でも、渓流ルアー釣りに限っても欲しいものが多すぎるのだ。
その順番待ち、優先順位の中で僕がきちんとしたフィッシングベストを手に入れるのはいつになるのか。
それは間違えなく今年ではない事だけはわかるのである。
【2017年追記】
その後、このフィッシングベストを買って満足しています。
参考ブログ 渓流用フィッシングベストをリアクションバイトで購入!
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