渓流放浪記黎明編 (2014年5月、6月)

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Yちゃんとの釣行で25センチ前後のイワナを釣って充実した日々を過ごしていた僕は、
時々釣りに行っていた。

少しレベルアップもしていた。

と言うのも、これまではTさんと最初に行ったあたりを中心に釣行していたが、自分で釣り場を探すようになったのだ。

 

最初に鑑札を買った天神川はカラーのマップをくれていた。

そのマップはとても広大で、この年は結局10分の1どころじゃないくらいしか回れなかった。

しかしマップがあるのだ。僕はそのマップを何回眺めたろう。

 

マップを見ながら、カーナビを見ながら、僕は一人で知らない道の道路のはしっこに車を止めて川を覗く。

運転しながら川をちらちらと見る。

時には川に降りる。

そうやって、自分なりにポイントを探していた。

前回の、「人が行かない場所に行こう」 という教訓が生きていた。

当時の僕には、渓流釣りが好きな釣り人の根性と行動力についてまではわかっていないので、自分が釣行していた場所がすでに釣り人の手垢にまみれた場所だとは気付いていなかった。

所詮、渓流ルアー釣りを始めて数回の素人が釣行出来る場所はすでに玄人の渓流釣り師の通った道なのだ。

でも、なにはともあれ僕は自分で渓流釣りのポイントを探す様になった。それだけで進歩じゃないかと思う。

結果思ったことは、、、川は広かった。。。

 

地図上では、またはカーナビ上では車を運転していればすぐに過ぎてしまう数百メートルという距離。

その距離はひとたび釣りのためにおりて、藪をこぎ、蜘蛛の巣をかいくぐり、ウェーダーを駆使して川に入りながら釣り上がると、何時間もかかるのだ。

初めて自分であたりをつけて、どうにか川に降りれそうな場所を見つけて、釣り上がる。

16時前後からスタートする。

暗くなるのはあっという間だ。

それは、本当に、あっという間なのだ。

僕は初めてあたりをつけた川に車を止めて、川におりて釣りを始めて、暗くなってきたために川から上がった時に衝撃を受けた。

車がすぐ近くにある。。。

自分の感覚的な釣り上がった距離と、実際の距離のギャップに驚いた。

こんなに少ししか動いていなかったのか。。。

率直にそう思った。

僕が素人で、釣りのポイントの見極めや、釣り上がり方や藪こぎが遅いかもしれない。でも、そういったことを差し引いても驚くほど距離が進んでいなかった。

下界(?)に戻りアスファルトの道をすたすたと歩くとすぐに自分の車に出会う。

それは数時間前に停めた車で、自分の中では渓流釣りをしながらどんどん釣り上がっていたのでかなり車と距離が離れていたはずだった。 下手したら車を探すのにとっても時間がかかるのではないか。
でも、いつも車は割とすぐに見つかった。

一つの川を釣り尽くすにはどれだけ時間がかかるんだろうと思った。

 

そんな中で僕はイワナをメインに釣行ごとに2匹から数匹は釣れていた。

サイズは聞かないで欲しい。

この年は結局、Yちゃんと行ったときの25センチ前後のイワナが最大だった。

それでも僕は楽しかった。

 

ちょっと道から川に降りたときの異世界観。

そこは下界とは違う世界なのだ。

たかだか数十メートルを進むのに一時間を費やすような、そんな世界なのだ。

一度川に降りれば、あとは魚を釣るために全神経を集中して、気付けば暗くなりかけていた。

僕は僕なりに、下手なりに、自分で開拓したポイントでイワナを釣っていた。

アマゴ、ヤマメの姿は中々見れなかった。

それは標高のせいか、ルアーを通すポイントのせいかはわからない。

でも、僕は地図とロッドとルアーを持って数百メートルを進むのに数時間をかけて満足だった。

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