渓流ルアーで初めてイワナを釣る(2014年5月)

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初めて渓流ルアーで釣った魚はイワナだった。

3月の解禁少ししてから渓流釣りを初めて約2ヶ月。

ルアーでの釣行は2回目での成果だった。

 

前回ボウズだった僕はめげずにまた一人で川に向かった。

場所は決めていた。3月にTさんと行ったところだ。

その時にTさんが20センチ少しのイワナを釣った場所だ。

 

僕は今もだが、当時はもっと初心者丸出しだったので一回釣れるところを見たら、

そこが釣れる場所と思いこんでいた。

 

実際には、釣り人が一度釣った場所では渓流魚は警戒心も増すし、小さな川は海とは違い、今いる魚を釣ってしまうと次に来た時にも魚がいるとは限らない。

でも、渓流釣りを始めたばかりの真新しい僕は、真新しい道具と一緒に真新しいやる気に満ちていて、深く考えるより先に釣りに行きたかったのだ。

 

目的のポイントまでに、少し違うところでもルアーを振りながら釣り上がっていった。

今回は偏光グラスも着用して、目でも釣るような気持ちだった。

これは総力戦なのだ。 と自分に言い聞かせた。

 

最初の一匹は、小さな川の落ち込みにスピナーを通したところで喰ってきた。

1.6gのスピナーに、5センチほどのイワナだった。

手応えらしきものは、 「プルッ」ときたか来ないかという微妙なものだった。

 

それでも僕は嬉しかった。 自分の投げて、巻いた金属のものに、渓流魚がちゃんと喰いついてくることが現実にあると理解できた。

さらに驚いたのは、自分の体長の三分の一以上あるようなスピナーに喰いついたことだった。

 

渓流魚はルアーで釣れる。 それも、僕が思っているよりも大きなルアーでも釣れるとリアルに感じた。

5センチのイワナは当然リリースした。

 

俄然調子にのった僕は当初の目的のポイントに向かった。もう時刻は夕方に近づいていた。

狙っていたポイントは、上段から少し段差がある淵。 淵といっても白泡があるような淵ではなく、水深も浅く、1mくらい(感覚的に)。流れもあまりない。 そんな場所だった。

 

僕の狙いは少し壁のようになった淵と上の段に繋がる直角の壁ような場所の下。

淵の流れ落ちた直下のポイントだった。

 

スピナーを投げるが、思ったところにはいかない。何度目かの後に、大体思っていた場所にスピナーは落ちてくれ、タダ引きで引き寄せる。

すると確実に根がかりではない手応えがロッドを通して伝わってきた。

 

手応えを味わう余裕もなく、とにかくリールを巻いて魚を引き寄せた。

1.6gのスピナーにかかってくれたのは16センチのイワナだった。

ギリギリ渓流魚を釣ったといってもいいサイズだった。

 

 

そのまま同じスピナーを同じように投げるが、初心者なので当然思った所に行かない。

すると偏光グラス越しに渓流魚がスピナーをおってくるのが見えた。

胸が高鳴った。

 

結局何度か投げるがスピナーには喰いつかなかった。

小さな金色のミノーにルアーを変えた。

 

そのミノーは高校生の時にブラックバス釣りを少ししていたときの忘れ形見だった。

ブラックバスを釣るには小さすぎるミノーで、タックルボックスの中のルアーを賑やかにするために入れたようなルアーだった。

 

投げてから気付いたのだが、水面から沈まない。

フローティングミノーだった。(それすら知らずに投げていたのだ)

 

少しロッドを引いてリールを巻く。 ルアーが潜る。

その瞬間、水面近くに渓流魚の姿が現れて、小さなミノーを咥えた。

 

驚いた僕は、合わせも何も無く、ロッドを引いて、リールを巻いた。

今度はさきほどよりずっしりと手応えを感じた。楽しむ余裕はなかった。

 

22センチのスマートなイワナだった。

初めてミノーで渓流魚を釣った。

 

もう日は暮れかけて、あたりは薄暗くなりかけていたが、金色の小さなミノーを一瞬で咥えたイワナの姿は目に焼き付いていた。

この魚の動きが、ヒットの瞬間が見えることが僕を渓流ルアーにはまらせた要因の大きな一つであることは間違えない。

 

結局この日は、22センチのイワナ一匹、16センチほどを一匹追加して二匹。5センチ一匹だった。

僕は車に戻るなり、嫁に電話をした。 そして週が明けて、会社でTさんに釣ったイワナの写真を見せた。

 

不思議なことに、数日間はイワナが釣れただけで充実感に溢れていた。

いや、不思議ではなくて、もう魚釣りという病に落ちてしまっていたのだ。

 

この病の怖いところは、自覚症状を感じるのが遅い。もしくは感じた頃には手遅れなのだ。

とにかく僕は初めてルアーでイワナを釣った。

 

僕は、 

ルアーで、 

初めて、

イワナを釣ったのだ。

 

もう30代だったが、その日は小学生のころの夕暮れを思い出した。

夕焼けが永遠に続くように感じた頃の気持ちになっていた。

 

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