ずっと疑問に思っていた。
ルアー作りをされている他の皆さんは、どうしているのだろうか?
セルロースセメントでドブ漬けした際の白濁の事だ。
湿度が高くてドブ漬けすると、セルロースは白濁する。
これはセルロースでルアー作りをしている人の常識である。
そこまでは理解している。
そして僕は朝から夕方まで働いているサラリーマンだ。
なので残業無しならドブ漬け出来るのは、
- 出勤前の午前8時前後まで
- 帰宅後の夜18:30以降
となる。
10月半ばから12月後半までルアーを作ってきて再認識した。
早朝や夜の時間帯は、
湿度が高くて白濁するのだ。
僕はほぼ外のような古い車庫の一角でルアーを作っている。
そして田舎の山間部だからか、朝とか霧が出ている事もある。
なので晴れた日の日中でも無い限り、かなりの確率で白濁するのだ。
以前ブログに書いたが、白濁したままドブ漬けしたら気泡が出来てしまった。
なので白濁したらリターダーを吹いてからドブ漬けしている。
だけど色を塗って色止めのドブ漬けをしている時にはリターダーを吹きたくない。
以前に色止めのタイミングでリターダーを吹いて(吹きすぎて)、色流れしてしまったことがあるからだ。
ここぞと言うときには、会社にルアーを持って行って昼休みにドブ漬けすることもある。
しかし車内にルアーの溶剤の臭いがしたり確実に体に良くはないし、家族への影響も心配だ。
なのであまり積極的にしたくはない。
そして今回は白濁を避けたくてやってしまった失敗の話なのだ。。。
『小坊師』セカンドロットで大失敗。。。
今作っている『小坊師』のセカンドロットの話である。
自分で決めた10月半ばから年末までの2ヶ月半の製作期間。
それで考えるとセカンドと言うか最終ロットになる。
バルサを削って、
アイとウエイトを付けて少しドブ漬け。
そして頭を黒塗りした。
色止めで一度、50%のセルロースでドブ漬けした。
次に通常の濃さのセルロースにドブ漬けしたその時、事件が起きた。
ドブ漬けしたルアーの表面がおかしくなっていたのだ。
こんな感じだったり、
こんなにでこぼこになっていた。
理由はすぐに分かった。
僕のせいなのだ。
先日ネットでルアーをドライヤーとかで温めてドブ漬けしたら白濁しにくいという情報を見た。
なのでルアーを暖房器具で温めつつドブ漬けしたのだ。
それが前日の50%色止めでは上手くいった。
だけど調子に乗ってルアーと暖房器具を近い距離で長い時間温め過ぎたのだ。。。
リアルにこの距離だったのだ。
近すぎるよな。。。
結果、一部のルアーが熱を持ち過ぎてしまった。
熱のせいでドブ漬け直後のセルロースがうまく流れずに、変なところで固まったり泡になったりしたのだ。
失敗したルアーのアップ。
この時の僕の心境は、
自分の不注意で子供に火傷(やけど)を負わせてしまった親の気持ちを薄めたような感じだ。
完全に僕の不注意の失敗。
ルアーにしなくていい火傷を負わせてしまった。
もの凄くショックだった。
この2ヶ月少し、自分の使える時間を全て使って、
- ルアー製作と、
- ブログと、
- ビール飲む
それしかしていなかった。
たぶんかなり寛大な僕の嫁にすら、こう通告された。
「出品用ルアーが終わったら、しばらくルアー作り禁止ね!」
(訳すと「てめぇ禁漁中のくせに嫁と子供の相手をせずに、ルアーばっか作りやがってこの野郎!」である)
僕は不器用なので、作るのにとにかく時間がかかるのだ。
そして時間をかけたにも関わらず、大失敗をする。
今回のはさらに、不器用が関係ない失敗である。
やっぱり向いてないのかなと落ち込んだ。
自分で使うならともかく、人に使って頂くものを作っているのに。。。
自分への怒りやら疲れやショックで、どろどろとした『黒しげる』が出てきそうになっていた。
しかしそんな僕に、一筋の光が差した。
名作漫画、スラムダンクの名シーンを思い出したからだ。
スラムダンクと不器用ルアー
スラムダンクの主人公、桜木花道のいくつかの場面や台詞。
それが今の僕にしっくりきたのだ。
該当シーンの一コマを載せたいが、それはあまりよろしくないと最近知ったので文章でご紹介します。
山王戦で身長2m越えの河田(弟)に負けまいとしていた桜木花道。
そこで赤木キャプテンのアドバイス。
「・・・腰が高い。どんなに大きく見せようとしてもあいつより大きくは見えやせん。腰を落とせ!」
僕も少しでも成長したところを見て頂きたいと、大きく見せようとしていた気がする。
身長を測る時に、背伸びや爪先立ちをしているような状態だったのかもしれない。
次に海南戦の桜木花道の台詞。
「オレに今できることをやるよ!やってやる!」
「ドリブルのキソ、パスのキソ、庶民シュート、リバウンド、、、」
僕のルアー作りも、自分が今できることをするしか無いのだ。
技術が無いのに理想の姿だけ求めても、出来やしない。
- 僕が作って使っているルアーを、
- 今の自分が出来る技術を使って、
- 出来るだけ丁寧に作る。
今はそれしかないのだ。
最後に、山王戦で常識では逆転が難しいくらい点差が開いた場面。
他のメンバーはあまりの点差に諦めかけていた時の桜木花道の台詞。
「おめーらバスケかぶれの常識は、オレには通用しねえ!」
「シロート(素人)だからよ!」
僕にも、ルアー作りが上手だったり経験があったり器用な方の常識は通用しない。
シロート(素人)で、さらに不器用だからだ。
スラムダンクの名シーンを思い出して、落ちていた気持ちが復活した。
僕は僕に出来ることをするしかないのだ。
そして出品のためのルアー作りの期間は、僕が成長するための期間でもある。
そう思うと『小坊師』セカンドロットの次のような失敗(まだあるのだ)も許せる気がした。
小坊師セカンドロット、塗装手前まで
熱でドブ漬け失敗したルアーの表面をならすためにヤスリがけした。
もう出品は出来ないので、自分用にアワビ貼りなどしてみる。
しかしアワビが下地の色を反映するのを理解出来ていなくて、ツートンカラーのように。。。
アワビ貼る前に全体に黒塗りしてから貼れば良かった。。。
自分用にするから思って油断したのもある。。。
この失敗も、経験と思うことにする。
次にアワビ貼りする時には、役に立つ経験だ。
そして僕にしては珍しく鮎カラーを2個作ってみることに。
以前鮎カラーのリクエストを頂いていたのだ。
当初3個作ろうと思ったが、2個になった。
ルアー2個分の鮎の顔をアルミテープで作るだけで、1時間半から2時間かかって心が折れたのだ。。。
これも良い経験だと思うことにする。
沢山作る方は、きちんとテンプレートとか作って同じように量産できるようにするんだと思う。
鮎カラーに紅ほっぺを塗るべきか考えたりしながら、アルミ貼りまで終わった『小坊師』セカンドロット達。
塗装という大きな鬼門をくぐり抜けることが出来るだろうか。。。
こうやって少し背伸びしてルアーを作っている。
その間に、本当に背が伸びれば(成長すれば)いいなぁ。
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最近は、天気が悪いので湿度が高いですよね~σ(´・д・`)
僕は、湿度計を買って湿度をチェックしながらディッピングしてます!
65%以上の時は、白濁するのでディッピングは控えます…
あと、急激に温めたらアワビシールもボディから剥がれてペコペコするので、ディッピング中は必要以上に熱を加えない方がいいかと思います。
湿度が高いとディッピング後に、ボディから水滴が出たりするのでボコボコになったりクレーターみないな跡が残ったりもします!
とにかく、湿度は対敵ですね~w
ヤングさん
そうなんです。最近天気悪いですよね(>_<) 湿度計お持ちなんですね! 僕は天気予報アプリで当日や翌日の湿度を見てからドブ漬けします。 65%以上は控えられているんですね。 僕は以前にドブ漬けの間を少し空けたらクラックが入ってしまったので怖くて間が空けられません(>_<) アワビシールにも熱は良くないんですね。 湿度、手強いです(>_<)
ルアー作りは落とし穴だらけなのですね!?。白濁しないようルアーを温める。でも、温め過ぎもダメ…各工程こどに気にしなきゃいけないこと盛り沢山で気が滅入ってきてしまいますね…。
リクエストって!?。もしかして…僕の??。言った本人が忘れてたのに(^^;、覚えていてくれたんですね!?。
花屋のいちろーさん
最後まで落とし穴だらけなんですが、さらに僕がその落とし穴に全てハマっていくタイプの人間なので(^^;)
はい。鮎カラーはいちろーさんのリクエストです(^^)
鮎カラー信者だと言われていましたね(^o^)
気合い入れて塗装中です!近日公開します(*^_^*)
しげるさん、メリークリスマス!
きっとお子様達にとって、良きサンタさんになられてらっしゃると思います。
さてさて、私の職場も人手不足な上に忙しいばかりで時間がとれず、私もなかなか納得のいくルアーが、作れずにおります…
そんな中でも最近何個か作っているうちに、マテリアルそのものの特性って結構あるのだと感じ始めてきております。
バルサの部位によっても硬さや重さが違いますし、ステンレスワイヤーの曲げ方次第でも、力の作用や動きも変わるんだろうし、塗料もメタリック、クリアー、はたまたミリタリー用のつや消しなど、使うカラーよっても、まったく違う感じの仕上がりになってしまいます….
私の場合では、使ってる塗料とセルロースセメントとの相性がよいのか、模型作ってた経験での制作上の勘なのかはわからないですが、幸いにして、色流れや白濁はほぼなく仕上がってます。
ただ、セルロースセメントって、製造元によって違いがあるのでしょうが、私の使ってるのは、やたら硬いようで、ガラスのようになっていて、岩などへのヒット一撃で、クラックが入ってしまい、一発で使用不能になってしまうという、実用面に於ける重大な欠陥を抱えております。
最終コーティングにウレタンを使ってみたり、色々試してみようかと思ってますが、この禁漁期間だと、ルアーにとって一番大事な泳ぎや魚の反応が見れず、それこそ人間目線の魚の模型作ってるのかと思ってしまうほど、とにかくほんとルアー作るのってある意味、禁断の領域なのではないかと….
とにかく私ごとき、まだまだ経験値が足らないようですが、自分以外の方がぜひ「使ってみたい」と思って頂けるようなルアーが作れるよう、目指します。
3110tkjさん
メリークリスマスです(^^)
ルアー作りって本当に時間がかかりますよね。。。僕は嫁と子供に「ルアーばかり!」と怒られています(^^;)
すごく色んな事を考えられていますね!
模型を作られていたご経験は確実に反映されていると思います。
バルサはものによって、部位によって全然違うと思います。
また、ワイヤー(アイ)の位置で泳ぎが変わりますし、塗装は僕は何も言えません、色流れもいまだにあります(>_<) セルロースはメーカーによって違いがあると思います。 ウレタンは仕上がりすごく綺麗になるのですが、以前に黄変してからやめました。。。 ルアー製作って本当に時間がかかって正解がないのでパンドラの箱的な感じです(^^;) お互い、経験値を増やしてがんばりましょう(^o^)
メリークリスマスです。
私は幸運にも白濁したことはありませんが、模型やっている人の裏技は、食洗機らしいです。
安い食洗機を買って、乾燥機能を使って乾かすそうです。
私はもちろんやったことはありませんが、ご存知の方が周りにいらっしゃりそうな、、、^_^
7千円くらいからあるそうですよ。
バルサ材を買い忘れて、ダイソーの桐材しかなく、四苦八苦しているかわしでした(笑)
かわしさん
おはようございます!
白濁したこと無いんですね!羨ましい(>_<) 食洗機の乾燥機能で乾かす!? 湿度が大敵なので、乾燥機能って言葉だけでも効きそうな気がします(^^) 色んな技があるんですね。ご情報ありがとうございます(^o^) ダイソーの桐材ですか(^^;) 四苦八苦できりきり舞い(桐桐舞い)ですね(^o^)
うまい!座布団一枚!
でも実際、桐材はバルサに比べて硬いし、9mm厚しかなかったんで、ルーターがなかったら、ヤスリがけで心が折れてました。
工具って偉大!
食洗機は、雑誌にも載ってる割と知られた裏技らしいので、ネットで調べたら、評判のいい食洗機が紹介されてるはずです。
打倒白濁!!
かわしさん
座布団、ありがとうございます(^^)
桐材ルアー、たしかに硬くて加工難しそうですね(>_<) でも面白いと思います(^^) 食洗機、ちょっと調べて見ます。白濁せずに天気を気にせずにドブ漬けできればどんなにスムーズに進むか(>_<) ありがとうございます。
あけおめのことよろでございます。
ディッピング時に限らず、バルサ自体に水分が含まれていると、夏場でもデコボコになる事があるように、高温は基本的にNGですね。時間がかかっても低温&低湿度で時間かけてやるのが間違いないかと。まぁ、急いで作りたくなるのも、時間的制約ができるのもわかるんですが(笑)
白濁防止にはリターダーをディッピングするセルロにガッツリ混ぜて急速硬化しないようにするとか、乾燥ボックス内にお菓子についている乾燥材や押し入れの乾燥材を入れておくと、いい感じですね。
ねこ爺さん
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します(^^)
高い温度、やはりNGなんですね(>_<) そうなんです。急いでというか焦って完成まで持っていきたかったり、時間もありますし、白濁が怖いし間を空けるとクラックも怖い。。。 ルアー作りは本当に落とし穴だらけです(>_<) リターダーは知ってましたが、乾燥材効くんですね! ありがとうございます(^o^)