四月になれば彼女は  (2015年4月前半)

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僕が渓流ルアー釣りを始めて一年ほど経った。

二年目の四月が来たのだ。

 

僕は四月になるのを待っていた。

水温も、魚の態度すら冷たい三月から、四月になれば、四月なら、

 

なんとか釣れるかもしない!

まあ率直に、単純に、そう思っていた。

 

春になれば全て変わると信じていた。自分が変わらなくても。

結果から見ると、そんなことはなく、自分が変わらないともちろん釣果も変わらない。

 

僕の四月前半は苦しい釣果を強いられることになる。

ただ、これから先の五月と六月を過ごしてから考えると、この三月と四月の釣行には意味があったのだ。

そう思いたい。

 

しかし、この四月前半の釣果は悲惨だった。よく渓流ルアーを辞めなかった事だと思う。

一番気持ちを萎えさせたのは、アマゴが釣れないこともあったが、ルアーをロストしたことだった。

 

僕は日記を書いていて、ついでに釣りのことも書いており、さらにはルアーのロストについても書いていた。

その中で、僕の絶対的エースルアー スミス ar-sスピナーをとにかくロストした。

 

その数、2週間で3、4個である。

僕の住んでいる田舎では、渓流釣りのルアーは釣り具屋ですら市民権をあまり得てはいない。

 

渓流のルアーがある釣具屋自体少ないし、あってもブレットンなどが(恐らく)10年くらい前からずっと店にある程度なのだ。(独断と偏見)

その中で、エースルアー ar-sスピナーを失くすことは、死を意味した。

 

なぜなら、釣具屋で買えないイコール 通販で買う イコール 送料がルアーと同じくらいの値段かかる。

という方程式が成り立つのだ。 ar-sスピナーの値段は一個七百円前後だが、都会ではなく田舎ではルアーを買うことすら大変なのだ。

 

 

 

の大変さを物語るエピソードがある。   

僕は、ある時期まで釣行時、水中眼鏡を持参していた。

 

渓流で落としたルアー、根がかりしたルアーを回収するためである。

当時の僕にとって、魚が釣れないより、ルアーをロストするほうが凹むことだったのだ。

 

ある日などは出勤前釣行中にar-sスピナーを木にひっかけてしまった。

押しても引いてもとれない。仕方なく糸を切る。

 

木の高さは数メートルでロッドを使ってもとても届かない。

出勤前釣行なので僕は時間が来たら会社に向かう。

 

でも、心の中はその日の仕事より、木に引っ掛かったルアーのことなのだ。

 

仕事中も悶々としている。

昼休み、僕は閃いた。 僕の家には高枝切りバサミがある。

 

僕は定時で仕事を終えて、家に帰った。

帰宅後、嫁の顔も見ずに倉庫に走り、高枝切りバサミを車に乗せる。

 

そして引っかけたポイントに急ぐ。 なぜならもう辺りは暗くなりかけていた。

急いでポイントについてウェーダーを履く。そしてロッドではなく高枝切りバサミを手に川に入る。

 

周りから見たら相当怪しい人だったろう。

僕は高枝切りバサミでルアーを掴み、落としてルアーをキャッチした。取り戻したのだ。

 

しかしそのルアーは数日後、根がかりでロストした。

僕はいいようのない悲しみに覆われた。

 

それでも僕は少しは釣っていた。

釣行ごとに、ボーズと一、二匹を繰り返すのは相変わらずだったが、

ルアーを失くすごとに、失くさないテクニックを覚えた。 はずだ。

 

そう考えないと報われない。

失くしてしまったルアーや、それらを必死に買い集めた自分。

 

四月の前半は相変わらず釣ったり釣れなかったり。

僕はまず一匹を求め、それから数を求めた。

 

そんな自分が一匹のサイズを求めるようになるとまだ思っていなかった。

でも僕はサイズを求めるようになる。

それはまた、少し先の、別の話なのだ。

 

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